~産業医になるには~

ご無沙汰しています。
新居探しやら歯科受診やらでブログ更新がなかなか進まなかったロトラです。
某有名大学の産業医研修会の申し込みが、受付開始後10分立たずに定員へ達したのが話題になっていますよね。
そこで今回は、産業医になるには他にどういった方法があるのか、以下のような順番で述べていこうと思います。

  • 産業医になるために必要な資格
  • 短期型の講習による資格取得方法
  • 長期型の講習による資格取得方法
  • 労働衛生コンサルタント試験合格による資格取得
  • 産業医の求人や給与

産業医になるために必要な資格

産業医となるためには、医師免許が必須であることに加え、厚生労働省令で定める要件を満たす必要があります。
具体的には、以下のように規定されています(労働安全衛生規則第14条第2項)。

1.労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修(※)であって
厚生労働大臣が指定する者(法人に限る)が行うものを修了した者
(※)「日本医師会の産業医学基礎研修」、「産業医科大学の産業医学基本講座」が
これに該当します。
2.産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学
その他の大学であってその大学が定める実習を履修したもの
3.労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
4.学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師の
職にあり、又はあった者
5.その他厚生労働大臣が定める者(現在、定められている者はありません)

短期型の講習による資格取得方法

・産業医科大学 夏季集中講座
7,8月に6日間行われる講習です。
福岡県北九州市で行われ、定員は720名、受講料は11万円で抽選ありです。
募集は3月初旬です。

産業医科大 産業医学基礎研修会集中講座
https://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/sc.html

・産業医科大 冬季集中講座
11,2月に6日間行われる講習です。
東京都府中市で行われ、定員270名、受講料は15万円で抽選ありです。
2022年6月現在案内はまだ掲示されていませんが、昨年は8月ごろに募集が始まったと記憶しています。

産業医科大 産業医学基礎研修会集中講座
https://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/sc.html

・東京医科歯科大学 産業医研修会
8月に7日間行われる講習です。
東京医科歯科大学構内で開催され、定員は250名、受講料は3万円(東京医科歯科大学医師会員)、5万円(上記医師会員以外で医科同窓会及び医科歯科職員)、6万円(東京都医師会員)、8万円(道府県医師会員)、10万円(非会員)となっています。
定員に達したら募集締め切りです。
募集はつい先日でしたね、6月中旬です。
一瞬で埋まってしまったと皆さん頭を抱えておられました。

東京医科歯科大学 産業医研修会
https://www.tmd-ishikai.jp/info/training.html?

・岡山大学 産業医基礎研修会
7,9月にそれぞれ3日間、計6日間行われる講習です。
岡山大学構内で開催され、定員100名、抽選形式ですが、岡山大学医師会会員を若干名優先するようです。
受講料は昼食代も含めて8万円です。
受付開始は2月中頃です。

岡山大学 産業医基礎研修会
https://www.unit-gp.jp/eisei/wp/?p=3352

・獨協医科大学 産業医講習会
8,9月の計6日間、5000円/日×6日の3万円(1日単位での申し込みのため)
栃木県独協医科大学構内で開催され、定員120名/日です。
令和4年度は原則として、獨協医科大学同窓会員と獨協医科大学、獨協医科大学附属病院、独協医大埼玉医療センター、附属越谷クリニック、独協医大日光医療センターに勤務する医師しか受講が認められません。
今年は6/27午後1時より受付開始です。

獨協医科大学 産業医講習会
https://www.dokkyomed.gr.jp/doso-kai/2022/06/20/sangyoi/

・東北大学 産業医学研修会
11,12,1月に2日間/月の計6日間行われ、定員は120名。
東北大学構内で行われ、受講料は72000円です。
先着順で8月ごろ、募集があった形跡があります。

東北大学 産業医学研修会
http://www.doh.med.tohoku.ac.jp/?
栃木医師会 東北大学産業医学研修会のおしらせ
http://www.tochigi-med.or.jp/news/2017/08/post-75.html

長期型の講習による資格取得方法

・地方医師会認定産業医制度基礎研修会
地方の医師会主催の産業医基礎研修です。
月1回2~3単位ほどの講習を受け、50単位以上(前期研修14単位、実地研修10単位、後期研修26単位)集めることで日本医師会認定産業医になることができます。
かなり時間がかかり、他県に行かないと受けられない講習もあるのであまり積極的にお勧めはできません。
しかし、前述の講習会や研修会に参加できなかった場合は、必然的にこの方法でしか資格取得できないので、単体で単位を集めるならばこちらのサイトの記載を参考にされてください↓
産業医の単位ってどう集める?「産業医への道」
日本医師会認定資格ですので5年ごとに更新する必要があります。

・産業医学基本講座 九州開催
産業医科大学構内にて開催され、4,5月の月曜~土曜で計25日間行われます。
受講料は21万円+ゲストハウス宿泊料およそ4,5万で、定員は100名前後です。
募集開始は1月です。
産業医ディプロマという、更新なしで産業医科大永久認定産業医を名乗れる資格や社会医学系専門医制度や日本産業衛生学専門医制度のプログラムを一部修了することができます。
ちなみに僕が受けたのはこの講習でした、長くて大変でした(汗)

産業医学基本講座
https://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/course/kihonkoza.html

・産業医学基本講座 東京開催
東京都にある産業医科大学津京事務所にて開催され、6~10月の47日間行われます。
受講料は50万円で、定員は20名前後です。
募集は2,3月です。
取得可能な資格は、九州開催分と同様です。

産業医学基本講座
https://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/course/kihonkoza.html

・産業医科大学の卒業
産業医科大学出身者が卒業と当時に永久産業医資格が与えられるのは、有名な話ですよね。
こんなことなら最初から産業医科大受験すればよかったと思う方もいるかもしれませんが、産業医学基本講座を一緒に受けた産業医科大出身のDrによれば、産業医科大出身者には産業医として働かねばならない義務年限があるようです。
学費も決して安くはないので、国公立大学卒業後に産業医学基本講座を受けるのが一番コストパフォーマンスがいいと言っておられました。

・その他
産業保健総合支援センター、産業医学実践研修、日本産業衛生学会地方会なども単位
取得可能な講習が受けられるようですが詳しい受講方法は載っておりませんでした。
おそらく、不定期開催の講習で単位を集めていく類のものと思われます。

労働衛生コンサルタント試験合格による資格取得

労働衛生コンサルタントは、コンサルタントを名乗る職業の中では数少ない国家資格です。
試験は一次試験が筆記試験、二次試験が口述試験となっています。
産業医資格があれば筆記試験は免除されますが、口述試験は実務経験がないと答えられない問題が多く、合格率は30%と難易度が高いです。
筆記試験は通常、「労働衛生一般(択一式)」「労働衛生関係法令(択一式)」「健康管理(記述式)」の3科目ですが、医師である場合は、「労働衛生関係法令」のみの受験になります。
その上、産業医(日本医師会の「産業医学講習会」、産業医科大学の「産業医学基本講座」を修了した場合)は、筆記試験はすべて免除となります。

初めからこのルートを目指す人は少なく、産業医になった後に労働衛生コンサルタントの資格を取得してキャリアの幅を広げるというパターンの方が多いです。
労働衛生コンサルタント資格まで取得するメリットですが、まず一つ目としてあげられるのは、産業医事務所を開業することができるようになることです。
最近少しずつ増えていますが、経営は必ずしもうまくいくものではないようです。
二つ目は、単純に雇用待遇がいいという点です。
労働衛生コンサルタントは、企業からの評価が高く、よりよい報酬や働き方のため、取得を目指す医師も増えています。

産業医の求人や給与

やはり、給与気になりますよね。
僕にもよく求人来るので内容を軽くご紹介します。
規模にもよりますが、嘱託産業医であればだいたい月1~2回ほどの勤務6万円/日です。
しかし、毎日出勤する専属産業医と異なり、こちらの考えがあまり通じていなかったり、提案した改善策の実行が適切になされていないことに気づくのに時間がかかったりします。
産業医資格を持っている医師は意外と多いのですが、実際に産業医に従事している医師は少ないので、嘱託産業医の求人は割とよく目にします。

専属産業医の募集案件も見たことあるのですが、工場ありの企業で週4勤務年収1500万でした。
空いてる日にバイトもできれば年収2000万いけそうですよね!
企業の中には、日本医師会認定産業医を持っている産業医や労働衛生コンサルタント持ちの医師を採用したがるところもあるので、専属産業医はなかなか求人がないです。
しかし、産業医科大学の研修やスキルアップ講習などを受講すると紹介してくれることがあります。

ひと昔前の産業医は、出勤するだけで特に仕事するわけでもなく、役員と軽くおしゃべりして早々に帰る程度のことで報酬が支払われていたようですが、近年は労働者の健康管理を戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業も増えてきており、医学的視点からの健康サポートは、労働者のモチベーションや生産性の向上に不可欠という認識が広まりつつあります。
よって、働かない産業医はすぐに解雇される時代になってきているといえます。

長くなりましたが、以上になります。
僕も産業医なり立てで経験はないに等しいです。
ご指導や耳寄りな情報、お待ちしております!